はなやの森 誕生物語

はなやの森 誕生物語

大切なお客様が健康であるよう願いを込めた宿


姉妹館である南信州昼神温泉「ホテルはなや」は、常連さんが多く
皆様方に助けられ、親しくお付き合いさせていただいておりました。

大切なお客様に、いつまでも健康でいてほしい。

そう願い続けていた私はある日、
日本でたった一ヶ所しかないという 「岩盤浴」が、玉川温泉にあることを知りました。


常連さんの方々も、大勢の人達が、この自然の岩盤浴で、そして又成分の濃い温泉で、
深い大自然の中で過ごす事によって、免疫力が高まるのでしょうか。


「とっても元気になって、健康を取り戻したよ」


そういった体験を目のあたりにし、

どうしても一生常連さんとお付き合いをしたいから

常連さんやお客様を少しでも元気にしたいから

どうしても玉川温泉でなくてはならない。と思ったのです。



玉川に土地を求め、温泉を掘ることになりました。

古くからこの地に住む方は、「あの場所は温泉が出ない」と言いました。

それでも私は、ボーリング屋さんを信じ、掘り始めました。

途中のある日、地主のおじいちゃんとラーメンを小さなお店で食べました。

「おじいちゃん、私、今、温泉掘っているでしょう。
皆が温泉掘っても出ないのではないか。というの・・・。」

すかさず、おじいちゃんは、

「おかみさん、何という情けない事を言うの。
男神山を背にして、男神橋を渡ったところに温泉を掘っているのだろう。
男の神様が守っているから、絶対どこよりも良い恵まれた温泉が、沢山沢山出るに決まってる。
おかみさんがそんなこと言うのはおかしいよ。」

と・・・。


心を動かされ・・・涙がこぼれました。


ふと、天井を見上げると、横の壁に一枚の絵(写真)が飾ってありました。
「塔」のある学校の絵でした。

「これどこ?」と聞く私に、「俺の出た分校さ。」と言いました。

「なつかしいな~。」

「今もあるの?」

「ない。この宝仙湖に沈んでる」とのことでした。

「俺は、あの男神橋を渡る度に分校が思えるんだ。」とも・・・。


私はその時思いました。

そして、言いました。



「もし、温泉に恵まれたら、今日のあたたかい励ましの言葉に感謝して、この宝仙台分校を再現してみせます。」と。



それから数日後、おじいちゃんの言う通り「飲泉」としても日本一ともいえる効能のある温泉に恵まれました。


この宝仙台分校は「はなやの森」の「浴場棟」と出来上がったのでございます。
   
         
ダムができる前の
空撮写真。
  ダムができる前、
田畑から望む男神山
  分校の子供たちの
元気な姿の絵